アルミニウムのリサイクリング

アルミニウムのリサイクリング

アルミニウムのリサイクルが、単独の産業部門として急速に成長してきました。この大人気の軽金属が、新規生産のわずか5%に相当するエネルギーで、品質を劣化させることなく再生産できることは見逃せません。

アルミニウムのスクラップの値打ちは、主に合金の組成によって決まります。そのため、アルミ合金の正確な組成分析に投資する価値は充分にあるでしょう。飛行機や自動車などの製造に必要な特殊軽合金の需要が、リサイクル素材の価格に高騰をもたらしているからです。

アルミニウムの元素分析をおこなうとき、どのような準備や注意が必要になるのでしょうか。その答えは、弊社の最新ホワイトペーパー「アルミニウムのリサイクル——分析で付加価値アップ」に詳述されています。

ホワイトペーパーの内容

  • アルミニウム合金の分析に際し、実地で必要となる分析上の諸条件
  • 蛍光X線分析技術およびスパーク励起式発光分析の役割と特長
  • SPECTRO xSORTおよびSPECTROTESTによるアルミニウム分析の検出限界と精度

テクノロジー、製品情報、使用法などについてさらに詳しく知りたい方は、同ホワイトペーパー(無料)をご覧ください。

はじめに

 アルミニウムのリサイクルは、経費削減や環境保全に貢献する単独の産業として、大きな成長を遂げてきました。
 その背景には、ふたつの要因があります。ひとつは、アルミニウム合金がとりわけリサイクルしやすい素材であること。本来の特性を失うことなく、何度でも再生できるのがアルミニウムという素材の特徴です。また、もうひとつの要因はエネルギー消費量を大幅に削減できること。新規に生産する場合に比べ、わずか5%の電力でアルミニウムはリサイクルが可能なのです。
 たくさんの特殊なアルミ合金が、航空機製造や自動車製造のために開発されており、増大する需要が新品の鋼材はもちろんスクラップ素材の価格をも高騰させています。そのため、リサイクル業者は使用する素材の投入原料が何であるかを見極め、リサイクル行程の前にあらかじめ素材を格付けする作業に力を注いでいます。
 この素材の見極めのために、もっとも有効な方法が元素分析です。しかしながら材料をいちいち社内のラボに持ち込む大掛かりな元素分析は、無駄が多く、費用も高額となり、業務に支障をきたすような遅れを伴うこともあります。その点、持ち運びができるポータブルな分析装置なら、スクラップ現場で即座に必要な元素分析をおこない、専門家でなくとも正確で実用的な素材の特定ができるのです。
 このホワイトペーパーでは、数あるスペクトロの分析装置の中から、手持ち式の金属分析装置「SPECTRO xSORT」と持ち運びが容易な発光分光分析装置「SPECTROTEST」の2製品についてご紹介し、アルミニウム合金テストにおける使用法をご説明します。

アルミニウム合金の特徴

 これまでに数百種類の特殊なアルミニウム合金がそれぞれの目的のために開発され、様々な分類体系が確立されています。一般に最も広く使用されている分類体系のひとつが、米国アルミニウム協会が開発した分類法に基づく「国際アルミニウム識別体系(IADS)」。4桁の数字による分類体系で、最初の数字が主な合金化要素を示し、他の数字がそれぞれ個別の合金を表します。
 各国にはこのIADS以外の分類法も存在し、なかには生産過程で素材に加えた熱処理などのプロセスで区別する分類法もあります。このように多種多様な特徴を持つ合金が存在するなかで、未分類の金属くずを再溶融するだけのリサイクルは非効率的です。
 アルミニウムをリサイクルする主なメリットは、以下のようになります。

  • ほとんどのアルミニウム合金は、繰り返し再溶融してもその品質を落とさないというリサイクルに適した特殊な性質を持っている。
  • アルミニウムのリサイクルは、新規にアルミニウムを生産する場合と比べて95%ものエネルギーを削減できる。
  • 二次使用のアルミニウム素材にも既存市場があるため、アルミニウムのリサイクルはエネルギー効率以外にも財政上の魅力がある。

 通常、スクラップには実に多種多様な形状や大きさがあるので、どのような分析技術を使うにせよその多様性に対応できなければなりません。さらには、高度な科学的知識を有する者でなくとも、現場で簡単に操作でき、携帯できる分析装置が理想的。事前に用意するサンプルも、最小限に留めたいものです。そのような要望に応えたのが、小型で手持ち式の蛍光X線(XRF)分析装置。新しい「SPECTRO xSORT」は、最新のXRF技術を採用し、金属くずを分類するための包括的な使いやすさを提供します。さらに、アルミリチウム合金の分析などをおこなう必要がある場合には、スクラップ現場で極めて快適な作業環境が経験できる可搬式発光分光分析装置「SPECTROTEST」がぴったりです。

SPECTRO xSORT

 現場解析での疲労を極限まで減らすよう最適化された分析装置が「xSORT」。バッテリーパックを装着した状態でも重さは1.7kg以下で、人間工学を追求したハンドルとグリップを装備しています。使用法は、試験サンプルの表面に当てて引き金状のボタンを押すだけ。ユーザーインターフェースおよび分析結果を表示するディスプレイは、見やすく操作も楽なPDA端末上にあります。装置は頑丈で、ボディは衝撃に強いABS樹脂。ご使用にならないときは、便利なホルスターに入れて携帯できます。分析結果はPDA端末に表示されますが、全分析はもちろん、xSORTが内蔵する詳細な合金ライブラリと分析結果を比較参照し、金属の細かな品質等級まで表示することができます。

SPECTROTEST

 マグネシウムやケイ素などの軽金属に対する精密な分析結果を得たいとき、またはアルミリチウム合金が検出されそうなときには「SPECTROTEST」がおすすめです。アルミリチウム合金は新世代の合金で、重量あたりの強度が並外れて頑丈であるため、航空宇宙産業や軍事目的の鍛造合金として重用されています。その一方で、合金内のリチウムが5ppmを超えると鋳造の際に問題となるため、スクラップの合金を精確に識別することが重要になってきます。
 SPECTROTESTは、所定のスクラップ選別において、関心の対象となるすべての元素を検出します。さらにそれだけではなく、手持ち式の蛍光X線(XRF)分析装置が検出できないベリリウムやリチウムを検出することができます。

ラボ据置型分析装置

 最上級の精度による分析結果が必要な場合は、スペクトロが誇る高性能OES分析装置のSPECTROMAXxやSPECTROLABなどがおすすめです。分析の検出限界が低く、精確で、スピーディーな分析能力が品質管理や開発研究に理想的。据置型分析装置の詳細については、スペクトロのウェブサイト(www.spectro.jp)をご覧ください。

まとめ

 アルミニウムの元素分析は、アルミニウムをリサイクルするすべての工程において能率を上げ、付加価値をもたらします。ハンディな携帯式の分析装置は、スクラップ現場で、元素分析の専門知識がない人でも、精確かつ迅速で信頼できる合金の識別を可能にします。